アトピー性皮膚炎
Q:アトピー性皮膚炎とは?
乳幼児期から始まり、小学校時に一番ひどくなる湿疹で、 人によっては成人になってからもう一度再発します。
ご家族に喘息・鼻炎等のアトピー素因があると、発症しやすくなります。
Q:増悪因子は何があるの?
1 )冬場の乾燥や夏場の汗(環境因子)
2 )疲れ・急激な温度変化・ストレスなど(環境因子)
3 )ホコリ・ダニ・花粉(アレルギー因子)
4 )かゆい皮膚をひっかく行為(刺激因子)
食べ物による増悪もないことはないですが、実際にはまれです。
Q:スキンケアするには?
スキンケアは非常に重要であり日常的に心がけることがアトピー性皮膚炎とつきあう基本姿勢です。清潔を保つため、毎日の入浴やシャワーにおいて、石鹸やシャンプーを使用する際には、泡で優しく洗うことを心がけましょう。強くこすることは皮膚を傷つけることにつながるため、控えてください。夏は汗を流すために毎日入浴してもよいのですが、冬は乾燥しやすいため、1日おき程度で入浴するのもひとつの方法です。入浴後は保湿剤を使って皮膚の乾燥の改善をしましょう。
Q:治療法は?
1 )保湿剤でスキンケア
皮膚の乾燥状態を改善・維持することが目的です。
2 )外用薬
ステロイド薬が基本ですが、非ステロイド薬として免疫抑制外用剤を使用することもあります。アトピー性皮膚炎の患者様で、よく相談されることのひとつにステロイド剤に対する恐怖・忌避感がありますが、ほとんどの場合間違った情報を鵜呑みにしていて、誤解を生んでいる傾向があります。
ステロイド薬を上手に使えば、依存やリバウンドを起こすことはありません。皮膚が黒くなるのはステロイド薬のせいではなく、炎症がおさまったあとで一時的に色素沈着が残っているためで、それも時間の経過とともに徐々に薄くなっていきます。確かにステロイド薬を使うことでニキビ、おできなどの皮膚感染症ができやすくなる、長期間使用することで皮膚が薄くなり毛細血管が浮き出て赤くなりやすいなどの副作用はありますが、上手に使えばステロイド薬を使わない場合よりも、早く快適な生活を送ることができます。
(参考文献:鳥居薬品作成のパンフレット 「ステロイド外用薬のウソとホント」より)
3 )抗アレルギー薬(内服薬)
外用でも十分かゆみが抑えられない患者様に対して、抗アレルギー薬を処方することがあります。この際一番注意することは眠気ですが、患者様に詳細に問診することで、その患者様にあったものを見つけることも可能です。
Q:治療目標は?
1 )小児期に発症した比較的軽症のアトピー性皮膚炎の場合は、将来的に薬いらずで生活できるようになることもあります。それまではひどくならないよう心がけて、治療を続けましょう。
2 )成人期を過ぎてもまだ湿疹が続く中等症~重症のアトピー性皮膚炎の場合は、薬を使っていくことで皮疹とかゆみをコントロールし、病気と上手に付き合っていくことが重要です。